「実家が『特定空家』に指定されるかもしれない」——そんな言葉を役所から聞いて、不安な気持ちになっていませんか。特定空家とは何なのか、指定されるとどうなるのか、正しく知ることが第一歩です。今回は、放置された空き家が特定空家に指定された場合に起こる具体的な流れについて、優しく丁寧に解説していきます。
「特定空家等」とは、空家等対策特別措置法にもとづき、次のような状態にあると市町村が判断した空き家のことです。
つまり、「近所迷惑になっている」「危険がある」と客観的に判断された空き家が、この特定空家に指定されることになります。一宮市内にも老朽化した空き家は少なくなく、今後も特定空家に該当するケースが増えていくことが懸念されています(一宮市空家等対策計画 P.〇 より)。
特定空家に指定されると、市から所有者に対して段階的な措置が取られていきます。主な流れは以下の通りです。
1. 助言・指導
まずは「適切に管理してください」という助言や指導が行われます。この段階で改善すれば、それ以上の措置に進むことはありません。
2. 勧告
助言・指導に応じない場合、より強い「勧告」が行われます。ここで見過ごせないのが、勧告を受けると住宅用地に対する固定資産税の軽減措置が解除される点です。これにより、土地の固定資産税が最大で6倍程度に跳ね上がる可能性があります。
3. 命令
勧告にも従わない場合は「命令」が下されます。命令に違反すると、50万円以下の過料が科されることもあります。
4. 行政代執行
最終的に改善が見られない場合、市が所有者に代わって解体・撤去を行う「行政代執行」に至ることがあります。この場合、解体費用は所有者に請求されます。
「うちはまだ大丈夫」と思っていても、老朽化が進めば他人事ではなくなってしまいます。
先ほど触れた通り、勧告を受けると固定資産税の軽減措置がなくなります。これは、空き家を所有する多くのご家族にとって、経済的に大きな負担となる分岐点です。
「そのうち何とかしよう」と先延ばしにしているうちに、気づいたときには勧告の通知が届いていた、というケースも少なくありません。実家を継いだご家族が、離れて暮らしているために状況を把握しきれず、対応が遅れてしまうことも多いのです。
一宮市内でも空き家の管理不全が進み、特定空家に指定される可能性のある物件は決して珍しくありません(一宮市空家等対策計画 P.〇 より)。だからこそ、早い段階で「これからどうするか」を考えることが大切です。
はい、あります。特定空家に指定される前の段階であれば、対応の選択肢は多く残されています。
「まだ特定空家に指定されたわけではないから」と安心せず、今のうちに手を打つことが、将来の負担を減らす一番の方法です。
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連載もくじ
一宮市の空き家問題を、はじめから読む
この記事は、一宮市の空き家問題を全30話で解説する連載の一部です。
人口動態から相続・売却・補助金まで、順を追って読めるようにまとめています。