「昔は家族みんなで一つ屋根の下に住んでいたのに、今は……」そんな会話をされたことはありませんか。
実際に一宮市のデータを見てみると、この感覚は正しいことがわかります。一宮市では、1世帯あたりの人数がこの30年ほどで大きく減少し、約1人分少なくなっているのです(一宮市空家等対策計画 P.5 より)。
つまり、かつては親世代・子世代・孫世代が同じ家に暮らす「3世代同居」が当たり前だった時代から、今では「夫婦だけ」「一人暮らし」という世帯が主流になってきているということです。
一見、家族の人数と空き家は関係がないように思えるかもしれません。しかし、この二つには深いつながりがあります。
例えば、ご実家に住んでいたご両親が高齢になり、お子さんはすでに独立して別の場所に世帯を構えているケースを考えてみましょう。かつては3世代・4世代で暮らしていた大きな一軒家に、今はご両親お二人だけ、あるいはお一人だけで暮らしている、というご家庭も少なくありません。
そして、ご両親が施設に入居されたり、お亡くなりになったりすると、その大きな一軒家には誰も住まなくなります。お子さんはすでに自分のマイホームや持ち家をお持ちのケースも多く、「実家に戻って住む」という選択が難しいのが現実です。
このように、世帯の人数が減ることで一軒あたりの「使われ方」が変化し、やがて誰も住まない「空き家」へとつながっていく——これが一宮市で起きている構造的な変化なのです。
不思議に思われる方もいらっしゃるかもしれません。「世帯数自体は増えているのに、なぜ空き家問題が深刻化するの?」という疑問です。
これは、「世帯数の増加」と「一世帯あたりの人数の減少」が同時に進んでいることが要因です。核家族化や単身世帯の増加によって、一宮市全体の世帯数そのものは増加傾向にありますが、その一方で、一つの世帯に住む人数はどんどん少なくなっています。
つまり、新しく生まれる世帯(マンションやアパート、新築の一軒家など)は増えていますが、それと同時に、かつて大家族が暮らしていた古い実家が、住む人がいなくなって空き家として取り残されてしまう——この2つの流れが同時に起きているのが、今の一宮市の実情なのです。
ご実家が空き家になった場合、そのまま何もせずに放置してしまうと、次のようなリスクが高まります。
「まだ大丈夫」「いつか考えよう」と先延ばしにしてしまう間に、状況は少しずつ悪化していきます。早い段階でご家族と話し合い、今後の方針を決めておくことが、将来の安心につながります。
まずは「今、実家がどういう状態にあるのか」を客観的に把握することが第一歩です。
これらを一つひとつ整理していくことで、漠然とした不安が「次にすべきこと」という具体的な行動に変わっていきます。専門家に相談することで、ご家族だけでは気づけなかった選択肢が見えてくることもあります。
一宮市の空き家問題・ご実家のご相談は、株式会社PTアイランド(いちのみや空き家相談所)へお任せください。
連載もくじ
一宮市の空き家問題を、はじめから読む
この記事は、一宮市の空き家問題を全30話で解説する連載の一部です。
人口動態から相続・売却・補助金まで、順を追って読めるようにまとめています。