一宮市にお住まいの方、またはご実家が一宮市にある方の中には、「近所に世帯は増えているように見えるのに、空き家も目立つ」と感じている方が多いのではないでしょうか。今回は、この一見矛盾するような現象の背景にある人口動態のしくみを、統計データをもとに優しく解説していきます。
はい、統計上では世帯数そのものは増加傾向にあります。これは一宮市に限らず、日本全国でも見られる傾向です。(一宮市空家等対策計画 P.4 より)
ただし、ここで注意していただきたいのは「世帯数の増加」=「人口の増加」ではないという点です。一宮市の総人口はすでに減少傾向に入っており、世帯数の増加は主に「一つの家族が複数の世帯に分かれること」によって起きています。(一宮市空家等対策計画 P.4 より)
ここに、多くの方が誤解しやすいポイントがあります。世帯数の増加は、必ずしも「新しい家に住む人が増えている」ことを意味しません。実際には、次のような現象が同時に起きています。
つまり、「世帯の数」が増えているのは、家族が一つの家にまとまって住むのではなく、それぞれ別々の住まいを持つようになったからなのです。その結果、実家という「元々あった住まい」が使われなくなり、空き家として残ってしまう構造が生まれています。(一宮市空家等対策計画 P.5 より)
「世帯分離」とは、もともと一つの家族としてまとまっていた世帯が、進学や就職、結婚などを機に複数の世帯に分かれることを指します。
一宮市でも、この世帯分離が進んだ結果、住宅の総数そのものは増えているものの、その増えた住宅の多くは新築や賃貸などの「新しい住まい」であり、古くからある実家は取り残されてしまうケースが少なくありません。(一宮市空家等対策計画 P.5 より)
ご家族としては「誰かが住むだろう」「そのうち考えよう」と思っていても、気づかないうちに何年も空き家状態が続いてしまう――これは決して珍しいことではなく、一宮市全体で起きている現象なのです。
空き家は、住む人がいなくなった瞬間から少しずつ傷み始めます。風通しがなくなることで湿気がこもり、建物の劣化が早まるほか、庭木の伸び放題や郵便物の溜まりなどから、近隣の方に「空き家では」と気づかれてしまうこともあります。
また、空き家の期間が長くなるほど、
といった負担が徐々に大きくなっていきます。世帯分離という社会全体の流れは止められませんが、「わが家がどうするか」は、今からしっかり考えることができます。
大切なのは、「まだ空き家になっていない今のうち」に、ご家族で話し合っておくことです。
こうした一歩を早めに踏み出すことで、後々のご負担や、ご家族間での意見の違いによる悩みを減らすことができます。
一宮市の空き家問題は、人口や世帯構成の変化という大きな社会の流れの中で起きている、ごく自然な現象です。ですが、「わが家は大丈夫」と先延ばしにせず、早めに現状を知ることが、将来の安心につながります。
一宮市の空き家問題・ご実家のご相談は、株式会社PTアイランド(いちのみや空き家相談所)へお任せください。
連載もくじ
一宮市の空き家問題を、はじめから読む
この記事は、一宮市の空き家問題を全30話で解説する連載の一部です。
人口動態から相続・売却・補助金まで、順を追って読めるようにまとめています。