# 第2話「世帯は増えているのに、なぜ空き家も増えるのか?」
「一宮市の世帯数は年々増えているらしい。それなら空き家なんて増えないのでは?」
そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。実は、この「世帯数増加」と「空き家増加」は、一見矛盾しているようで、実はしっかりとつながっている現象なのです。
今回は、一宮市の人口動態データをもとに、この不思議な関係を丁寧に解説していきます。ご実家の将来を考えるご家族にとって、大切なヒントになるはずです。
## Q1.一宮市の世帯数は、本当に増えているのですか?
はい、統計上は増加傾向にあります。一宮市の総人口は緩やかな減少傾向にある一方で、世帯数そのものは増加していることが分かっています(一宮市空家等対策計画 P.5 より)。
一見不思議に思えますが、これは「1世帯あたりの人数」が減っていることが背景にあります。かつては祖父母・親・子どもの三世代が一つの家に暮らすことが一般的でしたが、現在では核家族化や単身世帯の増加により、世帯の「数」自体は増えているのです。
## Q2.世帯が増えているのに、なぜ空き家も増えるのですか?
ここが今回の核心部分です。世帯数の増加は、必ずしも「新しい家族が増えている」ことを意味しません。多くの場合、次のようなケースが積み重なっています。
- ご高齢の親御さんが一人でお住まいだった実家から、施設や子どもの家へ転居する
- ご実家で暮らしていた方が亡くなり、相続した子ども世帯は別の場所にすでにマイホームを持っている
- 若い世代が新たに一宮市内や近郊でマンション・戸建てを購入し、独立した世帯を形成する
つまり「新しい住まい」が増える一方で、「住む人がいなくなった古い住まい」もそのまま残ってしまう。この結果、世帯数と空き家数が同時に増加するという現象が起きているのです(一宮市空家等対策計画 P.8 より)。
特に一宮市では、高齢者のみの世帯や単身高齢者世帯の割合が増加しており、将来的に空き家予備軍となる住宅が一定数存在すると分析されています(一宮市空家等対策計画 P.10 より)。
## Q3.このまま放置すると、どうなってしまうのでしょうか?
「まだ住める状態だから」「いつか誰かが使うかもしれないから」と、そのままにされているご実家は少なくありません。しかし、空き家は時間の経過とともに次のようなリスクが高まります。
- 建物の老朽化が進み、修繕費用がかさむ
- 庭木や雑草が伸び、近隣とのトラブルにつながる
- 空き家の管理状態によっては、固定資産税の軽減措置が適用されなくなる場合がある
- 相続人が複数いる場合、時間が経つほど話し合いが難しくなる
「そのうち何とかしよう」と先延ばしにしてしまう気持ちは、とてもよく分かります。しかし、空き家問題は「時間が経つほど選択肢が狭まる」という特徴があることを、ぜひ知っておいていただきたいのです。
## Q4.今、私たちにできることは何ですか?
まずは「今の実家の状態を正しく知ること」から始めてみましょう。
- 今、実家はどのくらいの資産価値があるのか
- 売却・賃貸・解体など、どのような選択肢があるのか
- 相続に向けて、家族でどんな話し合いをしておくべきか
こうしたことを整理するだけでも、将来への不安はぐっと軽くなります。一人で、あるいはご家族だけで抱え込まず、地域の実情に詳しい専門家に相談することも、大切な一歩です。
## まとめ
一宮市では、世帯数の増加という一見明るいデータの裏側で、住む人のいなくなった住宅が静かに増え続けています。これは特別な誰かの問題ではなく、多くのご家庭が直面しうる「今」の課題です。
大切なご実家だからこそ、後悔のない選択をしていただきたい。次回のシリーズAでは、一宮市内でも特に空き家が増えているエリアの特徴について、詳しく解説していきます。
一宮市の空き家問題・ご実家のご相談は、株式会社PTアイランド(いちのみや空き家相談所)へお任せください。