一宮市内で空き家が増え続けている背景には、いくつかの典型的な「きっかけ」があります。その中でも突出して多いのが「相続」です。今回は、なぜ相続が空き家発生の一番の原因になりやすいのか、そしてご家族が今できることは何かを、やさしく解説していきます。
一宮市が実施した調査でも、空き家所有者の多くが「相続によって取得した」と回答しています(一宮市空家等対策計画 P.12 より)。
親御さんが亡くなられたり、施設に入居されたりしたタイミングで住まいの持ち主が変わり、そのまま相続人であるご家族が別の場所に生活拠点を持っているため、実家に住む人がいなくなってしまうのです。
相続は「望んで起きる」ことではなく、ある日突然訪れるライフイベントです。そのため、事前の準備や心構えがないまま「空き家の所有者」になってしまうご家族が非常に多いのが実情です。
「相続したのに、すぐに空き家として問題になるわけではないのはなぜ?」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。
実は、相続直後は「まだ手放す決心がつかない」「兄弟姉妹との話し合いがまとまらない」「実家の片付けに時間がかかる」といった理由で、空き家のまま数年放置されるケースが多く見られます(一宮市空家等対策計画 P.14 より)。
この「様子見の期間」が長引くほど、建物の老朽化が進み、庭木や雑草の管理も行き届かなくなり、結果として近隣トラブルや資産価値の低下につながってしまいます。
一番大切なのは、「元気なうちに話し合っておくこと」です。
具体的には、次のような準備が有効です。
相続が発生してから慌てて決めるのではなく、事前に方向性を決めておくことで、空き家化を防げる可能性が大きく高まります。
すでにご実家を相続し、空き家のまま数年経ってしまったという方も、決して珍しいことではありません。一宮市内でも、相続後5年以上放置されている空き家は一定数存在すると報告されています(一宮市空家等対策計画 P.16 より)。
大切なのは、「そのままにしておく期間を、これ以上長くしないこと」です。売却するのか、活用するのか、解体するのか。まずは現状の資産価値を把握することが、次の一歩を踏み出すきっかけになります。
相続は誰にでも起こりうる出来事です。だからこそ、「まだ大丈夫」と先延ばしにせず、ご家族で今のうちから話し合っておくことが、将来の空き家問題を防ぐ一番の近道になります。
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連載もくじ
一宮市の空き家問題を、はじめから読む
この記事は、一宮市の空き家問題を全30話で解説する連載の一部です。
人口動態から相続・売却・補助金まで、順を追って読めるようにまとめています。